その日の昼、私の席のほうに行ってみると、机の上にそっと1通の手紙が置かれていた。なんと宛名付きで。その瞬間私は言いようのない驚きとうれしさを感じた。すみっこに追いやられ、忘れ去られた私を覚えていてくれた人がいたなんて想像もできなかったのだ。私は封筒の下の方の見知らぬ住所と詩情あふれる名前をながめていた。---虹雨、ドキッとした。きちんと折られた便箋を広げると、私の目に飛び込んできたのは虹雨のたくましくてやさしそうな万年筆の字だった。こんなじょうずな字を書ける人はきっと、やさしい人なのだろう、と言うのが第一印象だった。長い文面を読み終わった。虹雨は石炭技術学校の生徒だった。もうすぐ卒業だという。卒業が近づいてきて、進路に迷っていた。彼は私がある雑誌に発表した詩を見て、わたしと友達になりたくて、手紙を書いてきてくれたのだ。彼の心の底を隠さない告白が私を感動させた。
  
  「…青春を引きとめておくことなんてできないのはわかっています。たとえ青春を引きとめられたとしても、時間が僕を待っていてはくれないでしょう。雪が舞う日、僕は一人で歩いて行きます。もしかしたら、僕の人生は、果てしない海を漂流することになるのかもしれません。でも、僕の心はまだあちこちさまよっています…」

  ほとんどいつも、私もこのように思っていたのではなかっただろうか?私はわからなかった。若い私たちが、どうしてこんな早くから、世の中の浮き沈みを感じるのか、虹雨、この友達を私は拒否する理由はない。すぐに私は、返事の手紙を書いた。

written by 喬群
http://dazhou.tougao.com/list.asp?id=897

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