≪老外【1】≫

2003年11月15日
 布吉税関から462路線の中型バスに乗って南頭に向かっていた。バスが税関停留所から出発してほどなく、ひとりの老人が乗り込んできた。
  顔は皺だらけ、手には蛇皮の袋を提げていた。どうやら田舎からシンセンに出稼ぎに来ている民工らしい。
  運転手は乗降口に立っている老人に何度も怒鳴った。
「どこまで行くんだ?早くお金を入れなさい。自分で席を探して座るんだ。前に警察がいるから、停まっていると罰金を払わなきゃなんない・・・」
  「ええと、八卦嶺の平安保険公司までいくんじゃが、おいくらかな?」「2元。」
  老人はお金を長い間もそもそと探していたが、ようやく1元硬貨1枚と10元札1枚を取り出して、遠慮しながら尋ねた。
  「おつりはありますかな?ワシは細かいのがなくて。」
  運転手はキッパリと言った。「ない。」
  老人はますます遠慮して、運転手の後姿に向かって恐る恐る尋ねた。
「細かいのを1元しか持っておらんのじゃが、1元まけてくださらんかの。」
  運転手はあきらかにイライラしていた。
  「だめだ。みんなおまえさんのようにしていると、オレたちは食い上げだ・・・10元入れて、自分で後から乗ってくる人から乗車賃を集めるんだな。」
  老人は、とうとうびくびくしながら乗車賃入れに10元入れるハメになった。運転手が警察が来るぞと何度も言うので、しかたなく、後から乗ってくる人から乗車賃を集めるために、乗降口の近くの通路でしゃがんで待っていた。残念なことに、八卦三路までに、たったひとりすぐ降りる乗客が乗って来ただけで、彼はたった2元しか手にできなかった。彼が降りる停留所がだんだん近づいてくるにつれて、焦りが表れてきた。−−−まだ6元足らないのだ。

written by Amy
http://eggtown.gaiax.com/home/amycn

中国語原文
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hinoki/4558/youyitian/laowaidoc.htm

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