その場には固まったような沈黙が流れていた。聞こえるのは阿霧がブツブツ言っているたわごとだけだった。「阿凱……私もうダメ……連れて帰って……助けて……」

  「阿霧、ベッドで寝なさいね。」私は小声で言うと、彼女の重いからだを抱き起こした。信寧は急いでやってきて、私が阿霧を抱き起こすのを手伝ってくれた。そしてなにかいい言い訳が見つかったかのように、彼は急いで言った。「僕は彼女のことは知らないんだ。僕はここへあることを調べに来たんだ。……僕の大学の同級生がここで教えているので、彼とバーで会っていたんだ。君の友達は僕の同級生を知っていて、彼らはどっちも酔っていた。店で酒のビンを倒して……女の子は彼女だけだったので、僕はまず彼女を送り届けに来たのさ。君がここにいるなんて知らなかった……。」

  私は力いっぱい阿霧を支えている彼の手を振り払った。「どう…も、私が自分でやるから。すみません、せっかくの計画のおじゃまをしちゃって!」

  彼は怒ってしまって何も言わなくなった。長い時間がたって低くつぶやいた。「俺ってそんなに最低な人間か?君も、なんだってこんなに相変わらずなんだ!」

  「ごめんなさい、私はごらんのとおり相変わらずよ。」私は冷笑しながら、声を荒げた。「あなた、私がここにいるのを知らなかったって強調することはないのよ。私は身の程をわきまえてるし、あなたが遠路はるばる下心ありで私を尋ねてくるなんて思うわけないでしょ!反対に会いたくない者同士が出くわしてしまって、知らないうちに身の引き場所がなくなってしまったってわけよ。さあ、もう行っていいわよ。早く行きなさい!」

  私は歯を食いしばって阿霧をベッドのところまで引きずっていった。心の中ではもうひとりの私が悲しげに「彼はもうあなたとは関係ない人でしょ?どうしてそんなに彼の言葉の一字一句を意識しするのよ?あなたたちがいっしょにいると、お互いを傷つけ会うだけだわ……。」と話しかけた。

written by 草戒指
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