1週間後、私は阿霧の遺骨を背負って彼女の故郷に来ていた。阿霧は生前いちばん好きだったのはダイエットだった。でも今は数十グラムしかなくなってしまった。彼女の願いがかなったと言えるのだろうか?塵の中に生まれ、塵の中に帰る。こう言う意味なのだろうか?

  その山は最高峰が1391m。私は朝から登り始めた。ずっとガタガタ道で、岩を登り沢を渡りして、夕方ごろ頂上に到達したころには、顔や身体がほこりまみれになっていた。

  天池は霧に覆われ、水面は澄んで鏡のようだった。阿霧が以前言っていたが、ここは、西王母の沐浴の地と伝えられているそうだ。私は岸辺まで降りていって、顔や足を洗い、ほこりを洗い落とした。洗ったように真っ青な空と、湖面いっぱいに照らされた夕日を見ながら。草は緑、霞は錦のようだった。私は突然ハッと気づいた。なぜ阿霧がこの場所を最後の場所に選んだのかが、わかった。

  池のほとりには松の木が1本。その根元に私は深い穴をほった。そして阿霧を葬った。阿霧、ここは天国に近いんだね。あなたは天国にいて、天国は私の中にある。だからあなたは、永遠に私の心の中で生き続けるのよ。

written by 草戒指
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