≪復讐の剣【1】≫

2003年12月9日
  私は物心ついたころから、靴をはいたことがない。岩の上で足が凍えてどうしようもなくなると、私は「李玉函。」と叫んだ。彼女は声さえ出さずに、ただ冷たく私を眺めていた。私が着ているのは一枚の単衣だけで、それ以外は山の寒風をさえぎるものがないとき、私は叫んだ。「李玉函!」彼女はまだ声も出さず、手に持った鞭で私をたたいて林の中を飛び回らせた。私がお椀の粥をすすっているとき、私は叫んだ。「李玉函、腹が減った。」彼女は聞こえないフリをした。それで、私は山の中でウサギやリスを追い掛け回すしかなかった。

  私は涙を流したことはない。初めて泣いて、彼女の同情をひけなかったときからは。反対に彼女に鞭で打たれて、涙とは無縁となったのだ。

written by 馨香
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