≪虫が飛ぶ【2−3】≫
2004年1月7日 小柔はだんだん大きくなっていった。一本の草が雨露の中でこっそりと芽を出し、生長するように。お母さんは小柔を聾唖学校には入れなかった。お母さんは、小柔はとても賢く、話せないだけで、耳は聞こえているのだと言っていた。
小柔は私と筆談するようになった。彼女はいつもメモ帳を持っていて、言いたいことがあるとそれに書いた。小柔が最初に覚えた字は「哥(お兄ちゃん)」だった。
学校ではやっぱり男の子にいじめられていた。お下げを引っ張られ、甲高い声で「唖巴、唖巴。」と言われていた。私の耳に入るといつも、そいつらと力いっぱい殴り合った。何度も何度も私の服は引き破られ、殴られて鼻血を流していた。ケンカするたびにお父さんには罰として庭にすわらされていた。小柔は私のそばでいっしょに付き合ってすわってくれた。
私が鼻血を流すと、彼女はいつも持っているメモ帳を破って、よく手でもんで柔らかくして、ひとつひとつ丸めて鼻に詰めてくれた。鼻血が流れ出ないように。
私たちがいっしょに庭にすわっていると、耳に冷たい澄んだ風が吹き込んできた。頭の上には薄ら寒い月が出ていた。小柔はよくあの歌を歌ってくれと言った。;空が真っ暗になってきて 星がキラキラと輝き出す 虫が飛ぶ 虫が飛ぶ あなたは今誰を思っているの……
written by 羊子??
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2003120915571091
小柔は私と筆談するようになった。彼女はいつもメモ帳を持っていて、言いたいことがあるとそれに書いた。小柔が最初に覚えた字は「哥(お兄ちゃん)」だった。
学校ではやっぱり男の子にいじめられていた。お下げを引っ張られ、甲高い声で「唖巴、唖巴。」と言われていた。私の耳に入るといつも、そいつらと力いっぱい殴り合った。何度も何度も私の服は引き破られ、殴られて鼻血を流していた。ケンカするたびにお父さんには罰として庭にすわらされていた。小柔は私のそばでいっしょに付き合ってすわってくれた。
私が鼻血を流すと、彼女はいつも持っているメモ帳を破って、よく手でもんで柔らかくして、ひとつひとつ丸めて鼻に詰めてくれた。鼻血が流れ出ないように。
私たちがいっしょに庭にすわっていると、耳に冷たい澄んだ風が吹き込んできた。頭の上には薄ら寒い月が出ていた。小柔はよくあの歌を歌ってくれと言った。;空が真っ暗になってきて 星がキラキラと輝き出す 虫が飛ぶ 虫が飛ぶ あなたは今誰を思っているの……
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