冷たい風が吹き、まわりのまだらな笹がサラサラと揺れていた。すべてのものは声も息もひそめていた。そのとき、風のせいで窓はすでに開いていた。地主はひじ掛けのある椅子で退屈しのぎにタバコをふかしていた。彼は何か予想外の事態が起こることなどは想像もしていなかった。しかし、飛んで来た刀が彼の首に命中したのだった。

  李銘はまだ戻ってこなかった。地主の娘小青は気は焦り不安になった。そのとき、彼女は父親の鋭い叫び声を聞いた。思わず驚き色を失った。慌てて扉を破って中に入った。地主は血の海の中に倒れていた。小青は驚きうろたえ、すぐに気を失った。

  深夜の北湾は混乱がおさまった後、平静さを取り戻した。それは真夜中過ぎのことだった。空は真っ暗、周囲も依然真っ暗だった。強風がヒューヒューと村を吹きぬけた。そのとき、冷たい空気はすでに北湾じゅうを浸していた。

written by 林.向
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2003122118531204

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