≪天国を行き交う人々★ラサへの旅【序】≫
2004年2月13日冬の暖かな午後、私がラサへ飛び立つとは誰も予想もしなかっただろう。10,000mもの上空からは真っ白な雪山が雲海の中に聳え立って、青い空に突き刺さり、雄大な景色をかもし出している。空の色は深い青色で、純粋に天国を思い起こさせる。ゴンガ空港は陽光で満ち溢れ、はっきりと春が感じられる。ここに来る前は重装備の防寒服に身を包んでいたが、このときばかりはこんな重装備は不必要だった。
ゴンガからラサまで100km近くの道のりだ。車は公道を進む。ヤルツァンボ川の流れが見える。やさしい気配はあの娘の家の雰囲気にも似ている。空は水面にキラキラと清らかな青色を映し出し、雪山の水はそのままの淡さでゆったりと高原の日差しの下をポタポタと流れる。日差しの暖かさは高山と峻嶺を包み込む。時おりチベット族の民家が見える。また青、白、赤、緑、黄の順に並んだルンタ(=経文を印刷した魔除けと祈りの旗。別名「タルチョー」)が風にはためいている。経文や六字真言を刻したマニ山は厳粛な雰囲気で道端に静かに立ち並ぶ。私の心は未だかつて静けさと冷静さを感じたことなどなかったし、ましてや思想などは持とうとも思わなかった。この聖地は落ち着くところのない霊魂を呼び起こす力を持ち、人の塵埃で覆われた精神を洗い清めることができるようだ……
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
ゴンガからラサまで100km近くの道のりだ。車は公道を進む。ヤルツァンボ川の流れが見える。やさしい気配はあの娘の家の雰囲気にも似ている。空は水面にキラキラと清らかな青色を映し出し、雪山の水はそのままの淡さでゆったりと高原の日差しの下をポタポタと流れる。日差しの暖かさは高山と峻嶺を包み込む。時おりチベット族の民家が見える。また青、白、赤、緑、黄の順に並んだルンタ(=経文を印刷した魔除けと祈りの旗。別名「タルチョー」)が風にはためいている。経文や六字真言を刻したマニ山は厳粛な雰囲気で道端に静かに立ち並ぶ。私の心は未だかつて静けさと冷静さを感じたことなどなかったし、ましてや思想などは持とうとも思わなかった。この聖地は落ち着くところのない霊魂を呼び起こす力を持ち、人の塵埃で覆われた精神を洗い清めることができるようだ……
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
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http://www.tibethouse.jp/home.html
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