≪天国を行き交う人々★ラサへの旅【1−2】≫
2004年2月15日 街には“淋浴(=「シャワー」)”の2文字の看板がたくさんある。これはわかりやすい。風呂屋にちがいない。しかしある場所では“イスラム淋浴”と書いてある。私は興味を引かれ、これはどんなところなのだろうと思っていた。やっとのことで他の場所でこの文字の後に“木桶貸します”と書いてあるのを見つけた。これでわかったような気がする。三毛(=台湾の女流作家)の≪沙漠観浴記≫のことを思い出さずにはいられなかった。しかし、私には彼女のような度胸もなく、入って試してみる勇気もない。民族の習慣に背いたという汚名を着せられ、イスラム教徒にコテンパンにやられて一巻の終わりにならないとも限らない。それに不細工なことになるとカゼをひくかもしれない。高原ではカゼは禁物だ。そう、どうやら誰でも三毛になれるというわけではないようだ。少なくとも私はダメだ。
学校が終わった。天真爛漫な子供たちの集団が笑顔で大声を響かせてにぎやかに私の前に現れた。どの子の格好もほんとうにとてもかわいい。私はその中のひとりに八廓街へはどう行くのか尋ねた。すると4,5人の子が道を教えてくれた。こっちが近いと言う子もいれば、あっちが近いという子もいる。ついには「おばちゃん、僕の家近くだからついて行ってあげるよ。」と言ってくれる子も。私はうれしくて「ハイハイ、ありがとう。」その子の名はドゥンジュと言った。(後に書物で調べてみると、事業が成る、といった意味のようだ)おそらく10歳ぐらいだろう。5年生で背は高くなく、目鼻立ちはインド人に似ている。とても凛々しい中流家庭の男の子だった。彼は私を連れてチベット族の住宅地を通り抜けた。どれも特徴のあるチベットの民家だった。彼は言う。「これはボクのおばあちゃんの家で、あれは先生の家だよ。」途中ずっとその小さな口は休むことを知らなかった。私はこんなに素直に私を信頼してくれたことに感動しそうになった。そして尋ねた。「いちばんほしいものは何?」彼は言った。「夜に光る蛍光棒だよ。」私は急いで街でそれを買い彼にさしだした。その子は満足して笑いながらスズメのように飛び跳ねた。その明るい賢そうな眼差しは子供ならではの純真さで輝いた。別れ際彼は何度も私に、必ずバッグは目の前に置くように言いつけた。コソ泥の被害がひどいのだそうだ。ほんとうに気の回る坊やだ。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
学校が終わった。天真爛漫な子供たちの集団が笑顔で大声を響かせてにぎやかに私の前に現れた。どの子の格好もほんとうにとてもかわいい。私はその中のひとりに八廓街へはどう行くのか尋ねた。すると4,5人の子が道を教えてくれた。こっちが近いと言う子もいれば、あっちが近いという子もいる。ついには「おばちゃん、僕の家近くだからついて行ってあげるよ。」と言ってくれる子も。私はうれしくて「ハイハイ、ありがとう。」その子の名はドゥンジュと言った。(後に書物で調べてみると、事業が成る、といった意味のようだ)おそらく10歳ぐらいだろう。5年生で背は高くなく、目鼻立ちはインド人に似ている。とても凛々しい中流家庭の男の子だった。彼は私を連れてチベット族の住宅地を通り抜けた。どれも特徴のあるチベットの民家だった。彼は言う。「これはボクのおばあちゃんの家で、あれは先生の家だよ。」途中ずっとその小さな口は休むことを知らなかった。私はこんなに素直に私を信頼してくれたことに感動しそうになった。そして尋ねた。「いちばんほしいものは何?」彼は言った。「夜に光る蛍光棒だよ。」私は急いで街でそれを買い彼にさしだした。その子は満足して笑いながらスズメのように飛び跳ねた。その明るい賢そうな眼差しは子供ならではの純真さで輝いた。別れ際彼は何度も私に、必ずバッグは目の前に置くように言いつけた。コソ泥の被害がひどいのだそうだ。ほんとうに気の回る坊やだ。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
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