≪天国を行き交う人々★ラサへの旅【1−3】≫
2004年2月18日 私が到着したその晩は、ちょうどチベット仏教の燃灯祭だった。ツォンカパという仏教学者を記念したものだという。彼はチベット仏教の最大の教派ゲルク派を創設したので、仏教徒たちは彼を非常に尊敬し、ツォンカパの命日をチベット仏教の祝日にしたのだった。この日が来ると、チベットの仏教徒たちはどの家でも窓の下枠の三角形のランプに乳脂で火を点すのだ。八廓街じゅうのチベット住民が黄金色の灯りを輝かせると、まるで神話の世界に入り込んだようだ。街じゅうが大昭寺(=ジョカン)を取り囲んでマニ車を回す人でいっぱいになる。耳元には彼らの何を言っているのかよくわからないボソボソお経を読む声ばかりが聞こえてくる。私は不思議な信念に導かれて彼らの元へ向かった。手には今買ってきたばかりのマニ車が握られ、口では今店のチベット族のお姉さんに習ったばかりの六字真言を唱え始めていた。「オムマニペメフム。」私は前世どこにいたかは知らないし、どのようにして輪廻したのかもわからないが、今夜だけは私を揺さぶる力を感じることができた。ある思想が浮かんで私に語り掛けた。「忘れなさい。俗世の一切の苦痛や欲望を。」と。
街には私が買った草のようなものを売り歩いているおばあさんがいつもいる。私は初めその使い方がわからず、チベットの薬か何かだと思っていた。彼女たちは中国語もできない。ただ私に向かって「阿弥陀仏」と唱えつづけた。長い間身振り手振りで話してもわからなかった。ちょうど街のほど近いところに秩序を維持する警察があったので、そこへ行って尋ねると、やっとそれが焼香に使うものだとわかった。人の群れについて行ってみると、いくらもしないうちに大昭寺にたどり着いた。広場の前の大きな香炉では次から次へと人々が焼香していた。明るい炎が天に昇り、たいへんな壮観を呈していた。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
街には私が買った草のようなものを売り歩いているおばあさんがいつもいる。私は初めその使い方がわからず、チベットの薬か何かだと思っていた。彼女たちは中国語もできない。ただ私に向かって「阿弥陀仏」と唱えつづけた。長い間身振り手振りで話してもわからなかった。ちょうど街のほど近いところに秩序を維持する警察があったので、そこへ行って尋ねると、やっとそれが焼香に使うものだとわかった。人の群れについて行ってみると、いくらもしないうちに大昭寺にたどり着いた。広場の前の大きな香炉では次から次へと人々が焼香していた。明るい炎が天に昇り、たいへんな壮観を呈していた。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
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