大昭寺はラサで最も古い建物だ。現在に至るまで1,400年の歴史がある。中には当時の文成公主が長安から連れてきた職人たちに建造させた釈迦牟尼十二歳寿量身の純金の像が祭られている。そのため大昭寺はチベット仏教徒の心の中でこの上ない地位を占めている。八廓街は当初、毎日各地から参拝にやって来る人々が日々歳々と大昭寺を巡りマニ車を回し、出て来る街道であった。寒い冬でも敬虔な信者たちが五体投地して祈る。ある者はからだの下に背丈と同じくらいの長方形の綿の敷物を敷き、一度拝むごとにそれを前へ押し出し、続いてまた仏に向かってひれ伏す。そのため寺院の前ではそこらじゅうで敷物を引きずるズルズルという音がする。彼らの中にはとても遠い所からずっとマニ車を回し五体投地してラサまでやって来た人もいる。到着までの時間は1年半とも言う。真っ暗な中彼らの顔ははっきりとは見えないが、こんなに忠実な人は表情もこれ以上ないほど神聖で純潔な輝きを持っているのではないかと、私には思えた。

  広場の横のほうには10歳過ぎぐらいの何人かの子供たちが数十m離れたところに立っている。目を閉じて手を差し出し、壁にあいた3つの穴に向かって一歩一歩歩いていく。彼らの楽しそうな騒ぎ声が私を引きつけた。彼らに何をしているのか尋ねると、目を閉じて歩いて行って、指を真ん中の穴に入れることができた人は、死後あの世でお父さんやお母さんに会えるのだと教えてくれた。指を入れることができた子は大声で喜び、「わぁ、ボクは死後お父さんお母さんに会えるぞ。」と叫んでいた。彼らは私にもやってみるように促したが、私は結局指を入れられず、死後は両親に会えないという結末になってしまった。子供たちはちょっと残念そうに私を見、「明日また来てやってみてごらん。当たらないとも限らないだろ。」と慰めてくれた。私は笑った。かわいい子供たちだ。もし天国を目にすることができるのなら、私はここが天国であってほしいと思う。あなたたちといっしょに、素直に楽しみ、天真爛漫に過ごす。ここが私の求めていた理想の世界だ。

written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301

参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索