ロブリンカは18世紀の中ごろに建造された、歴代ダライ・ラマの夏季居住用の宮殿だ。占有面積は非常に大きい。迷宮のような場所を通り抜けて行くと、ダライ・ラマの貴族生活を想像することができる。“ダライ・ラマ”はモンゴル語とサンスクリット語の音訳で、“徳智が海のように深く広く何でも受け入れてくれる上師”という意味だ。チベット伝来の仏教においては、観世音菩薩の生まれ変わりだと考えられている。そういうわけなので彼らの生活は皇家のように贅沢豪華であるもの理解できる。

  植物には植生分布というものがある。海抜高度が高くなればなるほど樹木のたけが低くなる。しかし、ロブリンカでは天に向かって聳え立つ古木をどこででも見ることができる。薄青色の空の下、白味がかった枝葉はちょっと見には、霜が下りているように見える。冬場に夏宮を通るのはちょっと季節に合わない。からだに感じる冷たさはラサの寒さを思わせる。かなり遠くまで歩いて行くと、やっと何人かの人に出会った。彼らはマニ車を回し、六字真言を唱えている。低い窓枠に腰掛け、太陽の日差しを浴びながら居眠りしている老人をたまに見かける。おそらく参拝の道を歩き疲れてのことだろう。しばらくの間休憩し、少し両目を閉じて夢でも見ているのであろうか。夢の中では彼らが追い求める来世の幸福の園のことを見ることができているのであろうか……

  ラサの至る所でチベット族の宗教に対する敬虔さと熱心さを感じることができる。最も忘れられないのは、セラ寺での感動だった。セラ寺は1419年に建立された。言い伝えによると山の麓にセラと呼ばれる野バラが咲いていたので、それに因んで名付けられたということだ。その寺はラサの北方郊外のセラウズ山の麓に、密でありながらゴミゴミせず、雑然とではあるが乱れずに建ち並んでいる建築物群の中にある。ここに参拝にやって来る仏教徒たちは非常に多いが、中には年取った人もいて、目もはっきりと見えず、足腰も弱っている人もいる。足を引きずりながら家族といっしょに彼らの心の中の至上の神様を参拝しに来る。

written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301

参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html

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