≪天国を行き交う人々★ラサへの旅【4−1】≫
2004年2月27日四
ラサの街にはたくさんの小さな甜茶館がある。紅茶に牛乳を加えていれるのだそうだ。おいしくてなめらかで甘い。高原食品に似合わず、濃厚な江南風の口当たりがある。私は常々入ってチベットの人たちといっしょに一杯飲んでみたいと思っていたが、分厚い綿の入り口のカーテンを開けるたびに、中は僧とチベットの人たちでいっぱいだった。だいたいは空席がない。店を変えてほかの面白いことを考えなければならなかった。あるチベット族でいっぱいという雰囲気のレストランで、私は入り口に旅の道連れ募集のお知らせを見つけた。それは、香港・マカオまで車で行くらしい。ポケットを探ってみると予約済みの航空券があって、ちょっと後悔した。もっと早くわかっていたなら、道中をいっしょしてくれる人ができたのに。でも、彼らといっしょに行って体験してみるのも悪くない。私が深センで下りて、彼らがそのまま香港・マカオまで行けばちょうどいい。なんとよさそうな計画だろう。でもしかたない。今回はあきらめよう。そして、ちょうどそのレストランで、私は現地特産の乳脂をかけた干し赤ナツメとチベット族がいちばん好むご飯の一種のご相伴にあずかった。残念なことにその名前は思い出せないが、とてもいい名前だったので注文したのだった。
昼の八廓街では、両側の店は全部営業していた。1,100年もの間、ずっとここはチベット最大の交易集散地であった。チベット族はここでどんな生活用品や宗教の必需品でも買うことができる。街には人を引きつけるいろいろな石や装飾品も売られている。辛抱強く探しさえすれば、チベット族の娘が身につけているカランカランと音の出るとても個性的な掛け飾りや、大げさな形の大粒のトルコ石の指輪なんかがみんな手に入る。さらには手作りのきれいな刺繍を施したチベットの民族衣装や、ベスト、7色のストライプの前掛けまである。私はその街でゆっくりと宝捜しをした。何件かの店の主人が私を見て、燃灯祭の夜チベット族のあとについてマニ車を回していた人ではないか、と尋ねられた。初めは笑いながら、そうです、そうです、などと答えていたが、あとでとても恥ずかしくなり、知らないフリをすることにして、違う、違う、私はこの街は初めてです、と答えるようにした。こんな格好をしていると、どこへ行っても目立ちすぎて、何をするにも不都合があるようだ。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
ラサの街にはたくさんの小さな甜茶館がある。紅茶に牛乳を加えていれるのだそうだ。おいしくてなめらかで甘い。高原食品に似合わず、濃厚な江南風の口当たりがある。私は常々入ってチベットの人たちといっしょに一杯飲んでみたいと思っていたが、分厚い綿の入り口のカーテンを開けるたびに、中は僧とチベットの人たちでいっぱいだった。だいたいは空席がない。店を変えてほかの面白いことを考えなければならなかった。あるチベット族でいっぱいという雰囲気のレストランで、私は入り口に旅の道連れ募集のお知らせを見つけた。それは、香港・マカオまで車で行くらしい。ポケットを探ってみると予約済みの航空券があって、ちょっと後悔した。もっと早くわかっていたなら、道中をいっしょしてくれる人ができたのに。でも、彼らといっしょに行って体験してみるのも悪くない。私が深センで下りて、彼らがそのまま香港・マカオまで行けばちょうどいい。なんとよさそうな計画だろう。でもしかたない。今回はあきらめよう。そして、ちょうどそのレストランで、私は現地特産の乳脂をかけた干し赤ナツメとチベット族がいちばん好むご飯の一種のご相伴にあずかった。残念なことにその名前は思い出せないが、とてもいい名前だったので注文したのだった。
昼の八廓街では、両側の店は全部営業していた。1,100年もの間、ずっとここはチベット最大の交易集散地であった。チベット族はここでどんな生活用品や宗教の必需品でも買うことができる。街には人を引きつけるいろいろな石や装飾品も売られている。辛抱強く探しさえすれば、チベット族の娘が身につけているカランカランと音の出るとても個性的な掛け飾りや、大げさな形の大粒のトルコ石の指輪なんかがみんな手に入る。さらには手作りのきれいな刺繍を施したチベットの民族衣装や、ベスト、7色のストライプの前掛けまである。私はその街でゆっくりと宝捜しをした。何件かの店の主人が私を見て、燃灯祭の夜チベット族のあとについてマニ車を回していた人ではないか、と尋ねられた。初めは笑いながら、そうです、そうです、などと答えていたが、あとでとても恥ずかしくなり、知らないフリをすることにして、違う、違う、私はこの街は初めてです、と答えるようにした。こんな格好をしていると、どこへ行っても目立ちすぎて、何をするにも不都合があるようだ。
written by 阿依黛
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004010612542301
参考サイト(画像と用語の解説を参考にさせていただきました)
http://www.tibethouse.jp/home.html
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