この上ない法力のお釈迦様が指差すと、暗い空からたちまち幾筋もの金色の光が差し込んで来る。お釈迦様の念想の世界の誕生だ。お釈迦様は笑って尋ねられる。「悟空、お前はこの世界に入ってみたいか?」悟空が答える。「私はもともと空です。この世界も空です。私はここに入りたいと思います。」お釈迦様は言う。「お前がこの世界に入ったら、2つの身体に分かれることになる。どちらも悟空だ。どちらも私の影だ。私はその影のことを‘心魔’と呼んでいる。この世界の衆生の中で、お前とその影だけが空の真諦を知っているのだ。彼らが生だと思っているこの世界が空だとわかっているのだ。」悟空は疑問を抱く。「なぜ私が私と心魔に分かれなきゃならないんです?」お釈迦様は言う。「心魔がいなければお前が心魔になってしまう。私は2人の悟空にいっしょに悟空の秘密を理解してもらいたいのだ。」悟空は笑って言う。「仏はもともと魔でもあり、魔が仏だったのですね。」
お釈迦様のお考えが流転し、悟空を指差す。「行け。」
影は金の光となって果てしない世界に融け込んで行った。
悟空は静かに地面で熟睡してしまった鉄蛋を見ておりました。この子は小さなころからとてつもない圧力を受け、今になって彼自身もわからない理由からこんなことをしでかしてしまいました。悟空は頭を挙げ満天の星を見上げました。一日がこんなに早く過ぎて行ったのです。彼はもうひとり悟空を、つまり心魔ですが、それがすぐそばに姿を現すことを知っておりました。その心魔だけが衆生の意識を惑わせ、彼らの行動に影響を与えることができるのです。悟空はいつその悟空に会えるか知りたいと思いました。彼はその日が来るのを待ち望んでおったのです。
written by 白玉堂
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004011823351608
お釈迦様のお考えが流転し、悟空を指差す。「行け。」
影は金の光となって果てしない世界に融け込んで行った。
悟空は静かに地面で熟睡してしまった鉄蛋を見ておりました。この子は小さなころからとてつもない圧力を受け、今になって彼自身もわからない理由からこんなことをしでかしてしまいました。悟空は頭を挙げ満天の星を見上げました。一日がこんなに早く過ぎて行ったのです。彼はもうひとり悟空を、つまり心魔ですが、それがすぐそばに姿を現すことを知っておりました。その心魔だけが衆生の意識を惑わせ、彼らの行動に影響を与えることができるのです。悟空はいつその悟空に会えるか知りたいと思いました。彼はその日が来るのを待ち望んでおったのです。
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