≪悟空【12】≫

2004年3月12日 連載
  突然ある考えが私を悟空のところへと突き動かしました。彼ならどうすればいいか知っているだろう、と。

  私はメチャクチャに山道を駆けて行きました。あの山の下に押しつぶされたサルに会うために。

  私はあの林に再び戻って来たのですが、うっそうとした林があるだけで、あの山は見当たりません。私は倆界山じゅう走り回りました。大声で孫悟空の名前を叫びました。私は山の中のいちばん高いところに立ったとき、なにやら遠くのほうにふたりの人と1頭の馬が、そしてその中にひとり痩せた男がいるのが見えました。その人はとても悟空に似ています。私は以前から目がよく、村では‘鷹の目’と呼ばれていました。自信を持って保証します。あれは悟空に間違いありません。

  私が追いかけて行こうとしたとき、ふと足元を見るといつのまにかこの三弦がありました。

  年老いた乞食は手に持った三弦を慈しんでなでていた。みなはこの話に引き込まれていた。年老いた乞食は「私はこれが悟空の置き土産だと思います。みなさん、ここを見てください。」年老いた乞食は三弦の底の部分をみなに見せた。1本の黄金色のサルの毛が三弦にはさまっていた。

written by 白玉堂
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004011823351608

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索