≪もしこれが愛なら【2】≫
2004年3月17日 連載 ある夜、私は空を見上げているときぐっすりと眠り込んでしまった。夢の中で私は、深い青色の海底で一人っきりでぐるぐる回っていた。不思議なほど美しかった。普通鮫人は海中を泳ぐとき、うっすらと尾びれの軌跡を残すはずなのだが、私の泳いだ跡の海水は鏡のように穏やかだった。私は夢から覚めると、急いで母后に夢の中の出来事の秘密について尋ねた。母は微笑みながら私を迎えたが、表情をこわばらせ、一言も発せずに私の話を聞いていた。私はがっかりして寝宮に戻り、私の秘密について思いを巡らせた。あっという間に100年が過ぎ、私は絶世の美しさを持つ人魚になっていた。父王は私の成人の大典で私の美しさを称賛し、海底宮殿では夜通し楽器や歌声が鳴り響いた。
私が満300歳になった夜、母后は私がその伝説を知っているものだと思い、私に話した。すべての王子、王女は成人の夜に夢を見、その夢は自分の将来の運命なのだと。母后に優しくなでられて、私はゆっくりと眠りに入っていった。夢の中で私は海底をのびのびと泳ぎまわり、不思議なほど美しかった。これは以前見たことのある夢だった。私はいぶかしく思い母后に尋ねた。ほんとうは私はとっくに知っているのだ、と母后は言った。私が人魚になった夜、自問自答していた。昔の深海の王子、王女はこの日に運命がはっきり変わったのに、なぜ私だけ手がかりもつかめないのか、と。
written by 羽貝
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004022121180929
私が満300歳になった夜、母后は私がその伝説を知っているものだと思い、私に話した。すべての王子、王女は成人の夜に夢を見、その夢は自分の将来の運命なのだと。母后に優しくなでられて、私はゆっくりと眠りに入っていった。夢の中で私は海底をのびのびと泳ぎまわり、不思議なほど美しかった。これは以前見たことのある夢だった。私はいぶかしく思い母后に尋ねた。ほんとうは私はとっくに知っているのだ、と母后は言った。私が人魚になった夜、自問自答していた。昔の深海の王子、王女はこの日に運命がはっきり変わったのに、なぜ私だけ手がかりもつかめないのか、と。
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