≪夢死【1】≫

2004年3月25日 連載
“彼自身も幻影だ。別の人の夢の中の幻影なのだ”

“ある人が私の夢を見ている夢を見た”

―――ボルヘス、最も偉大なる夢想家(1899〜1986;アルゼンチンの詩人、小説家、翻訳家)

  もし完全に自分のものである世界があるとしたら、その世界であなたはいちばん何が必要ですか?いちばん何がほしいですか?

  これは彼が夢から覚めたあと考えた問題だ。これはそれほど現実的で、すぐ目の前にある問題である。そのため伸ばした指が見えない暗闇の中でも、彼は自分の前でその問題が熱い息を吐いているのがわかる。

  女、そう、もちろん女だ。

  何年も前に、彼は初めてこれ以上ないほど鮮明に意識した。:彼にはその資格がある。勇気もある。こう答える必要がある。女がいてこそ、彼の世界は真の意味で完全無欠になるのだ。

  何年も前に、状況は初めてこの段階に達した。彼がしばらくの間仕事の手を休めて、「オレにいちばん必要なものは何だ?」と問うことができるほどまでになった。

written by 發炎
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004030209405236

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年7月  >>
293012345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829303112

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索