≪夢死【5】≫

2004年3月29日
  彼はこの魅力的な計画のために生活を調整した。眠るときの格好も、仕事と休憩の時間も、調整し、厳密に計画を立てて食事し(夢を見る作用のある食べ物、カラシやヒマワリ、蜜等しか摂らなかった)、鍼灸治療をして(漢方には不眠を治し夢を多く見る鍼灸術がある。彼は向かい合っているツボを探すだけでよかった。例えば、解渓、然谷等のツボだ)、ドアを閉めてひとりでいるようにし、このことだけに没頭した。孤独にならなければ、彼は自分に言い聞かせた。孤独にならなければいけない。これは創造者の運命だ。外からの影響はつまらぬ真似事を身につけさせるだけで、ほんとうの創造者になることはできないのだ。

  安定した光の中、彼は自分の思い描いた世界を配置し始めた。しかし、新しい世界の中のものが増えてくると、ものが思い通りにはなっていないことがわかり、つらい思いをした。例えば、前の日沼の北側にあった山が、次の日には自分勝手に南側に移ってきていたり、といった具合だ。この混乱を克服するために、彼は何度も間違いを修正しなければならず、さらに多くに時間を夢見ることに投入しなければならなかった。

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written by 發炎

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