その後何日か、彼らはとても楽しく過ごした。ミートは次から次へと笑い話や物語を話す。そしてローラは優秀な聞き手だった。ミートは声もよく情感たっぷりに話す。ローラはミートの話に合わせ、ときには眉をひそめ、ときには驚きの声をあげた。ミートはとても楽しかった。ひとつだけ欠けているものがあるとすれば、それは肩を並べて話すことができないということだった。氷のように冷たい鉄柵は無情にも彼らを分け隔て、彼らは遠くから見つめ合うしかなかった。研究員が彼らに餌を入れていくたびに、彼らをいっしょにしてくれるように祈ったが、いつもそれは失望に変わった。しかし、それだからといって、彼らの思いが募るのを妨げたりはしなかった。遠く離れて眺めるだけの日が愉快に過ぎていった。

  ある日、ローラは寂しそうにミートに尋ねた。「ミート、私たちここにどのくらいいるのかしら?」
  「ボクもわからないな。どうしてそんなことを?」
  「私たち、ずっとこんなふうに離れ離れのままなのかしら。ずっとこんなふうに檻に入れられたままなのかしら。」
  「……」
  「ミート、どうして答えてくれないの?」
  「ボク……このまんまなんていやだ。でもどうすればいいんだろう?」
  「……ミート、私を愛してくれている?」
  「もちろんさ、ローラ。」
  「それなら……逃げ出す方法を考えましょうよ。」
  「逃げるって?どうやって逃げるんだ?この檻には鍵がかかっているし、それを開けることもできないよ。」
  「方法を考えるのよ。何かいい方法があるはずだわ、ミート。私たちがそう願ってさえいれば。」
  「ローラ……」ミートは感激しながらローラを見た。愛、これが愛の力なのか。愛のために、彼はやってみようと思った。

  それから、彼らはチャンスをうかがい始めた。研究員が餌を入れるたびに、ミートとローラは特に注意を払った。しかし研究員は未だかつて扉を開けたこともなく、餌は籠の隙間から入れられるのだった。鉄柵はかじっても食い破れるはずもなかった。

  ミートはローラに言った。「鉄の檻は固くてじょうぶだ。扉にも鍵がかけてある。待つしかないな。チャンスが来るまで。焦らないで。ボクを信じてくれ。きっといっしょに逃げ出すんだ。」
  「うん、信じているわ、ミート。」ローラはしっかり気持ちをこめて答えた。

written by 一線雲児
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004020609485951

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索