ドアにまた鍵がかけられたあと、ミートはテーブルに跳び上がった。

  「ローラ!ローラ!」ミートは籠に駆け寄り鉄柵をつかんで大声で叫んだ。

  ローラはまるで聞こえていないかのようだった。ピクリとも動かずに腹ばいになっていた。目は虚ろでぼうっとしていた。

  ミートはあせった。彼はローラに向かって両手を伸ばし大声で叫んだ。「ローラ!おーい!だいじょうぶか?早くこっちに来て顔を見せてくれ。……ローラ、そんなことしてちゃダメだ。あきらめるな。立つんだ、ローラ。君は強い子だ。ボクらは絶望しちゃいけないんだ。ボクがいるだろ。ボクがいるじゃないか。ボクがなんとかしてあげるから。……ローラ、もし君が絶望してしまったら、ボクはどうすればいいんだ?……立つんだ!ローラ!……立ってくれ……ボクは……君を愛している……ローラ……」

  ミートはのどが詰まって声が出なくなった。

  「……ミート……」ローラにやっと目の輝きが戻った。彼女はミートが涙を流しているのをはっきりと見た。胸を刀でえぐられたような気持ちがしていた。

  「ミート、私はどうしたらいいの?なぜこんなことになったの?私の何が悪かったの?……ミート……私、死にたくない……ミート……」ローラは涙で声が出なかった。

written by 一線雲児
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