≪ミートとローラ【5−2】≫
2004年4月13日 連載 「ローラ、ローラ、こっちに来てごらん。しっかりするんだ。ボクがついているよ。ボクがなんとかしてあげる。こっちにおいで。顔を見せておくれ。」ミートは優しくではあるが切迫したように呼びかけた。
ローラはとうとう立ちあがった。彼女はミートのそばに歩み寄った。ミートはローラの手を握り、哀れむようにいたわるように彼女を見た。彼らが手をつないだのはこれが2度目だった。たった2回だというのにこんな目に遭うとは。残酷過ぎる。運命はほんとうにめまぐるしく移り変わる。手の施しようがない。神様が彼らの愛を試してみているのではあるまいが。ミートはローラを見つめた。さまざまな思いが頭をよぎった。
「ミート、何か考えがあるの?この扉を開けられるの?」ローラは尋ねた。
「扉?あ、そうか。見てみる。待ってて。」ミートはそう言いながら、小さな扉のところにやって来た。
この鉄の扉には鎖は掛けてなかった。U字型のスプリングロックが掛けてある。小さな鉄の扉の側面には長い鉄板があててあった。いったい何だろう?ミートは見てみた。クリップのようだ。スプリングロックを保護するためのものか?ミートはいろいろ探ってみた。そして、特別なものではないようだと思った。このスプリングロックなら自分で開けられるかもしれない。とにかく、チャンスがある限りやってみなくてはならない。用心してそれに触らないようにすればいいじゃないか、と彼は思った。そして、彼は小さな鉄の扉に近づくと、用心深くしっかりとかかっているスプリングロックに手を伸ばしてみた。意外にも、彼が力を入れるやいなや、ガタンという音がしてそのクリップのような小さな鉄板が急に締め付けてきたのである!ミートは慌てて身を翻し、驚きで冷や汗を流した。彼は用心していたので逃げることができた。クリップのような物は彼の体にはかからなかった。しかし、たいへんなことになった。そのクリップにしっかりと彼の尻尾が挟まれてしまったのだ!!ミートのからだの芯に痛みが走った。彼は歯を食いしばって声をあげなかった。外の人間に気づかれるのを恐れたからである。ローラはすべてを見届け、恐怖のため口を覆った。
written by 一線雲児
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004020609485951
ローラはとうとう立ちあがった。彼女はミートのそばに歩み寄った。ミートはローラの手を握り、哀れむようにいたわるように彼女を見た。彼らが手をつないだのはこれが2度目だった。たった2回だというのにこんな目に遭うとは。残酷過ぎる。運命はほんとうにめまぐるしく移り変わる。手の施しようがない。神様が彼らの愛を試してみているのではあるまいが。ミートはローラを見つめた。さまざまな思いが頭をよぎった。
「ミート、何か考えがあるの?この扉を開けられるの?」ローラは尋ねた。
「扉?あ、そうか。見てみる。待ってて。」ミートはそう言いながら、小さな扉のところにやって来た。
この鉄の扉には鎖は掛けてなかった。U字型のスプリングロックが掛けてある。小さな鉄の扉の側面には長い鉄板があててあった。いったい何だろう?ミートは見てみた。クリップのようだ。スプリングロックを保護するためのものか?ミートはいろいろ探ってみた。そして、特別なものではないようだと思った。このスプリングロックなら自分で開けられるかもしれない。とにかく、チャンスがある限りやってみなくてはならない。用心してそれに触らないようにすればいいじゃないか、と彼は思った。そして、彼は小さな鉄の扉に近づくと、用心深くしっかりとかかっているスプリングロックに手を伸ばしてみた。意外にも、彼が力を入れるやいなや、ガタンという音がしてそのクリップのような小さな鉄板が急に締め付けてきたのである!ミートは慌てて身を翻し、驚きで冷や汗を流した。彼は用心していたので逃げることができた。クリップのような物は彼の体にはかからなかった。しかし、たいへんなことになった。そのクリップにしっかりと彼の尻尾が挟まれてしまったのだ!!ミートのからだの芯に痛みが走った。彼は歯を食いしばって声をあげなかった。外の人間に気づかれるのを恐れたからである。ローラはすべてを見届け、恐怖のため口を覆った。
written by 一線雲児
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