「神様!!ミート!!ど……どうしたの?」
  
  「な、なんでもないよ。ローラ……大声を出しちゃダメだ。……そ……外の……人に聞こえちゃまずい。」

  「ミート!!」ローラはひどく心を痛めた。

  ミートは痛みをこらえて振り向き、自分の尻尾を見た。その長い尻尾はすごい力の鉄のクリップで真ん中ぐらいのところをしっかりと挟まれていた。少しでも身動きすると耐えがたい痛みが走る。尻尾はもう切られてしまったような感じがした。どうしよう?ミートは眉に皺を寄せた。こんなことはしていられないのはわかっている。こんなことをしていると捕まってしまう。ローラが解剖される運命から逃れる望みもなくなってしまう。解剖!!この2文字を思い浮かべると、ミートの心は縮みあがった。残酷だ。なんとしてもローラを助けなければならない!

  籠の中のローラはポロポロ涙を流しながらミートを見た。彼女は自分が恨めしかった。自分はどうしてこんなに愚かなのだろうと思った。逃げ出せなかっただけでなく、ミートにまでこんな目に遭わせるとは。もし自分がいなかったら、ミートは今ごろ自由になっていたのに。でも今は……

  「ミート、だいじょうぶ?どうすればいいの?私……私……」

  ミートは深く息を吸って、決心した。自分の尻尾を噛み切ることを!そうするしか逃れる手立てはない。すべてはそれから始まるのだ。

  「ローラ、」ミートの声は痛みでかなり震えていたが、しっかりとしていた。「なんでもないよ、落ち着くんだ。考えがある。」

  「ほんとう?どんな考え?」ローラは喜んで尋ねた。

  ミートはやっとのことで穏やかな笑顔を見せながら言った。「尻尾を食いちぎればいいのさ。」

  「ミート?!」ローラは目を大きく見開いた。

  「どうってことないさ、ローラ。そうするしか見込みはないんだ。」

  「ミート……」ローラは泣きじゃくって声にならなかった。

  ミートは目を瞑り、心を落ち着かせた。振り向くと自分の尻尾を引き寄せ、ふうっと息を吸うと、一息に噛み切った!それほど大きくない音がすると身を切り裂くような痛みが走った。ミートは何もわからなくなった。

written by 一線雲児
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004020609485951

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