4

  今年の4月どんよりとした空の下、また霧のような雨が降り始めた。

  その日の早朝、つまらない早朝学習の後、担任の先生が教室に入ってきて、転校生を紹介した。そしてクラスのみんなは力いっぱい拍手して歓迎し、何人かの男子は叫び声さえ上げていた。私はそれに反応もしないで如眉が私のメモ帳に書いた字を見てぼうっとしていた。目に入ったのはしとやかに近づいてくる人影だった。そして私の隣に嫣然と腰かけた。

  「如眉、如眉戻ってきたのか?」

  私は彼女に向かって如眉の名を叫んだ。女の子は親しげに首をかしげ、微笑みかけた。彼女は如眉ではなかった。

  私はクラスのみんなに大声で抗議した。「如眉の席にほかの人をすわらせるな。」と。しかし、誰も理解してはくれなかった。

  授業が終わり、女の子は私の手に手を添えながら言った。「ごめんなさいね。もしだめなら、横の席に変わりましょうか?」

  「いいよ、そんなの。」私は無表情で答えて教室を出て行った。

written by 連鋒
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004031315545107

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