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  私と小雨が桃の林を出てきたとき、やっと来るときにはわからなかった道を見つけることができた。

  私たちは同じような大きさの石ころを拾って、歩いて行く道に置いていったのだ。こうすることで、どの道が歩いてきた道で、どの道が初めての道なのかがわかった。でもそのうちに、いったい何度同じところを行ったり来たりしているのかわからなくなったが、気がつくと、私たちはまた、あの桃の花が敷き詰められた谷川縁にたどり着いていた。私たちが置いてきた石ころはひと山ひと山白っぽいかすかな光を発し、ひとつひとつが気味の悪い小さな墓のように見えた。その上、中から低い啜り泣きの声まで聞こえてきた。

  見る見る間に空は暗くなってきた。私はふと小雨が木に書いた字を見せてくれたことを思い出した。:「小雨、君は心に思い浮かべるだけで実現することができるって言ったね。それならボクたちが桃の林を抜け出すことを一心に思い描くだけで、ほんとうに抜け出せるってわけ?」

  「そうよ、私、どうしてそんなことに気づかなかったのかしら!」小雨は興奮して飛び跳ねた。

  こんな信念を持って、私たちは迷路のような桃の林を抜け出した。クラスのみんなが集まっていた場所にたどり着いたときには、彼らはみな帰った後で、ただ果物の皮や瓜の皮、ジュースの空き缶が残っているだけで、風でカタカタ音をたてていた。

written by 連鋒
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004031315545107

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