だんだん暗くなるにつれて、気温も下がり始め、私と小雨は寒さを感じ始めていた。小雨が言った。「やってみようよ、心の中で暖かさを感じるだけで、寒くなくなるかもしれないから。」

  私は小雨の言うとおりにやってみた。そのおかげでかなり暖かくなってきた。あたりが真っ暗になる前に、急いで学校に戻ろうと、私たちは走り始めた。そしてお互いを励ましあった。:真っ暗になる前に学校につけると信じていれば、きっと学校にたどり着ける、と。

  私と小雨は抜きつ抜かれつしながら走った。道路にはほとんど車は通っていなかった。周りの野原は私たちの足音と呼吸しか聞こえないほど静かだった。真っ黒なアスファルトはまるで物憂げにとぐろを巻いている大うわばみのようだった。小雨は私の手をひっぱり恐る恐るその上を走った。大うわばみが目を覚まして私たちをまる飲みにしてしまうのではないかと心配しながら。

  たまたま一台の車が通りかかった。私たちは手をつないで道路の真ん中で通せんぼしたが、車はうまく私たちのそばをひゅうっとすり抜けて、まったく停まろうという気もないようだった。

  絶望しかけていたとき、黒塗りでアスファルトとほとんど一体化してしまっている1台の車が急ブレーキで私たちの前に停まった。

  「町へ戻るのか?」ドアが開き、運転手がしゃがれた声で言った。彼はハンチングを目深にかぶっていた。車の薄暗いライトが彼のやせたからだを映し出していた。物の怪のようだった。私たちは思わず身震いをしたが、小雨の足のケガのせいで選択の余地はなく、車に乗り込むしかなかった。

written by 連鋒
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004031315545107

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索