私が走って行って如眉を制止しようとしたとき、小雨が引きとめた。:「四毛、行っちゃダメ。彼女はあなたを傷つけるわ……」

  私は小雨の手をふりほどいて、如眉を追いかけた。もう少しで如眉が穴に呑み込まれてしまうというとき、私は如眉に飛びついた。そしてとうとう如眉の手をつかんだ。

  如眉の手は氷のように冷たかった。それでも柔らかく、初めて彼女と手をつないだときと同じ感触だった。

  如眉は振り向いてしとやかに笑った。まる3年だった。私はやっと如眉の美しい笑顔に出会えたのだ。

  私は如眉の手をしっかりと握り、言った。「すまない、如眉、すまない……」

  如眉は首を振り、私をきらきら輝く笑顔で見つめた。

  そのあと如眉は人を惑わせるような星の光を発し始め、私の目の前から少しずつ消えていった。

  「如眉、行かないでくれ。行かないで……」と私は言った。

  如眉は最後に私に向かって右手を差し伸べ、微笑みながら私の右の手のひらをたたいた。私は覚えていた。これが私と如眉がいっしょにいるときよくやるポーズだということを。きっとだいじょうぶだよ!という意味だった。

  如眉は永遠に消えてしまった。

written by 連鋒
http://wind.yinsha.com/letters/show.phtml?aid=2004031315545107

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索